2018年10月
2018年10月12日
シリーズでお伝えしております、ベトナムの犬食文化。
今回で、最終回になります。
ベトナム ハノイ在住の通信員さんからのレポートです。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
前回は、密輸や病気など犬食文化における問題点について取り上げました。今回はそれら問題点から犬食文化の今後について考察していきます。
今現在ベトナムでは、変わりつつある犬に対する気持ちが、今まで大切にしてきた文化と交差しています。そしてこのことは、今後のベトナムの経済発展と少なからず関係していることに気づかれるでしょう。
国内の消費量は減るが密輸量は増える危険性
すでにハノイで始まっている、「犬肉を食べないように」との呼びかけは、今後さらに拡大していくでしょう。
韓国のようにオリンピックのような国際的な行事が始まったら、政府の規制は強まるはずです。
いずれにしても、このグローバル社会において大多数からは受け入れられないこの文化は、すぐには減ることはないにしても徐々に減っていくと予想できます。
しかし、人の習慣というものはそう簡単に変わるものではありません。
私たちが、「今日から豚肉は禁止!」と言われてしばらく食べられなくなったとしたら、牛肉派の人であっても食べたくなることでしょう。いくら禁止されたからと言っても犬肉料理は麻薬のように、実害があったり、人に直接迷惑をかけるものであったりするわけでもありません。
きっと今まで好きだった人は何らかの形で犬肉料理を食べることと思います。
そうなりますと公開されている国内の犬肉消費量の数字は減っていったとしても、規制しない限りひそかに密輸される犬の数は増えていくのかもしれません。
国際問題に発展する
2016年6月16日オーストラリアの動物愛護団体が、ベトナムに対して食用としての牛の輸出を止めるように働きかけました。
理由は「残虐に殺すから」というものです。
同日付では、ベトナム人がオーストラリアから輸入してきた牛を生きたままハンマーで撲殺する衝撃的な写真が公開されました。
犬の屠殺もこのような残虐な形で殺されていることから、シーシェパードの捕鯨問題のように国際問題に発展して、他国からの禁止の呼びかけや、映画やドキュメンタリーなどが制作されるかもしれません。
犬に対しての愛情が高まっている
先日ハノイの街角でこのようなポスターが、いたるところに貼られていました。
*******
原文:
迷い犬を探しています(謝礼有)
2018年9月1日朝8時頃、ホーグムという場所で飼っている犬を見失ってしまいました。
名前:ゾン・バック・キン
雄、8歳
特徴:下の歯が1つ欠けている
場所:ハンガイ、バーチュウ、フォーフエー、ディンティエンホアン
これらの特徴に該当する写真の犬を預かっている方をご存知の方はご連絡下さい。
*******
日本でも時折見かけるような、迷い犬に対しての飼い主の必死の思いが伝わってきます。
先日、タクシーの運転手さんと犬肉文化について質問しました。
彼は犬肉料理が大好物のようですが、「最近若い人を中心に犬肉料理を食べる人が少なくなってきている」と嘆いていました。
理由を聞いてみましたところ、「犬をペットとして飼う人が増えてきたので食べられなくなっている」ということです。
このようにベトナムは経済発展により、裕福になってきた家庭が犬をペットとして飼うことが少しずつ普通になってきています。
そのような家庭で育った子供は「犬を家族の一員」としてみるようになり、犬肉料理を食べることに抵抗がでているようです。
文化がひとつ減るということ
ベトナムでは犬肉の他にもいろいろな動物の肉を食べます。
日本のように世界各国のいろいろな料理を食べることができる豊かな国と違って、ベトナム人が食べる料理の種類はそれほど多くありません。
そんな彼らの楽しみが、いろいろな肉を食べるということです。
いわゆる「ゲテモノ料理」について話すと、ベトナム人の男性は喜々として、いままでどんな肉を食べたのかについて語ってきます。
私が聞いた中だけでも、日本であまり食べない肉の種類には犬肉料理の他に次のようなものがありました。
・猫
・カエル
・ねずみ
・うさぎ
・へび
・やぎ
・アヒル
・孔雀
・チュンビットロン(ふ化寸前のアヒルの卵)
・ゴカイ
・カイコのさなぎ
・カメムシ
ちなみにカメムシは炒めて食べるようです。
独特の苦みがアクセントになって美味しいとか。
写真左:カメムシをとっているところ。
写真右:このように水に入れて逃げる前に溺死させます。
この中でも、とりわけベトナム北部で暮らす人にとって犬肉料理は特別なもののようです。
彼らが犬肉を食べるのは、単なる食の楽しみ以上のものがあるのでしょう。
私が取材のため、犬肉通りを歩いていた時のことですが、いつぞやは人でにぎわっていた通りががらんとしていました。
少し不思議に思って、通りかかった人になぜ今日は犬肉の通りに活気がないのかを訪ねてみました。
答えは「月末ではないから」というものでした。
詳しく聞いたところによりますと、ベトナム人は、「旧暦の月末に犬肉料理を食べると幸運が訪れる」と信じているようです。
「犬肉料理を食べるのは美味しいからですか?それとも幸運が訪れるからですか?」と聞いてみましたところ、「人によるがほとんどの人は、幸運のためではないか」というものでした。(旧暦の月末ではない時には犬肉通りに活気がないことは、この答えが間違っていないことを暗に証明しています。)
※旧暦とはアジアの国々でかつて使われていた中国暦のことで、日本でも明治5年まで使われていました。
まとめ
犬肉文化の将来性について考えましたが、この文化はベトナム国内においても世界的にみても、減少することはあったとしても発展することはなさそうに思えます。
犬肉料理を食べて幸運が訪れるという考え方の是非はおいておいても、やはり一国の文化が消滅するとしたらそれは悲しいことです。
確かに慣習のためだけに食べている人もいますが、私の友人の中には「犬肉料理が一番好き」という人もいますので、犬好きの私としては少し複雑な気持ちになります。
最後にベトナムで見かけた犬たちを紹介しますね。
(動画:ハノイの子犬たち)
タンロン橋付近にて。
このようにベトナムの犬たちはよく人に懐きます。
大人でも人を襲ってくる犬はまずいません。
この子犬たちも将来食べられるのでしょうか…
ハロン湾にて。なんだか哀愁が漂っています。
チュックバック湖にて。子供たちがお母さんから引き離されています。この扱いはきっとペットではないでしょう。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
いかがでしょうか
アジア諸国はイスラム教や仏教など宗教的な影響もあり、犬をペットとして飼う習慣がなかった地域もありますが、近年は、ペットとして犬を飼う習慣が浸透してきているようですね。
家族として飼っている犬を食べる
という意識にはなかなかならないのもうなずけます。
日本でも、若い方やクジラやイルカ食の文化がない地域の方からすると、「なにもイルカ食やクジラ食にこだわらなくても。。」という意見がありますので、それに少し似た現象なのかもしれません。
さて、今回で一旦ベトナムの犬食文化については最終回となりますが、犬食が盛況となる旧暦の月末前のレポートの為、今後、一番にぎわっている時期の犬食文化のレポートができたら。。。
と考えております。
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2018年10月09日
シリーズでお届けしております、ベトナムの犬食文化について、二回目をお届けいたします。
今回もベトナム在住の通信員さんによるレポートです。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
前回はベトナムの代表的な文化のひとつである、犬食文化の概要について紹介しましたが、今回は犬食文化の問題点について取り上げていきたいと思います。
犬肉料理は多くのベトナム人に愛されていますが、一部の国しか食べられていないマイナー料理ゆえに問題点がいくつかあります。
今回は犬食文化の3つの問題点について触れつつ、その問題にどのように取り込むべきかについて取り上げていきます。
① 密輸問題
2011年8月11日、タイの東北部でおよそ1000匹もの犬を密輸しようとした、ベトナム人1人を含む男3人が逮捕されました。
目的はもちろん「食用」のため。
しかし今回の逮捕は、氷山の一角であり、タイだけでも毎年50万頭の犬が、その他にもカンボジアやラオスなどの国からも密輸されていると推定されています。
一部はマフィアも絡んでいるといわれ、全てを見つけるのは非常に難しいのが現状です。
家族同然に飼っていた犬が、ある日犬泥棒によって盗まれ食べられてしまうと思うと胸が痛みます。
かわいそうな犬たちは密輸目的で運ばれてくるため、衛生状態が悪い狭いおりに詰め込まれ苦しみながら死んでいくのです。
これは国際犯罪であり、「文化だから」といえるレベルのものでありません。
一般の人たちは密輸を止める手立てはありませんが、仮に食べようとしている犬肉が密輸されたものであるなら手を出さないようにすべきでしょう。
これは、次に解説する「犬肉の病気」にも関係してきます。
② 犬肉の病気
鶏肉、豚肉、牛肉のような流通している肉と違い、犬肉料理はマイナー料理です。
ベトナム北部ではかなり根付いた文化であるとはいえ、安心できる食材が売っている大型スーパーでは売っていません。
そのため当然管理も甘くなり、狂犬病のような恐ろしい病気を持っている犬が、そのまま食用になってしまうことがあります。
特に危ないのが、隣国から密輸された犬肉です。
まず密輸しようとしているような人は、「質の良い肉を食べてもらいたい」というような高潔な理念はありません。そして前述したように大量に密輸された犬たちは衛生状態が悪いだけでなく、狭いおりに詰め込まれています。それで一匹でも病気になっているならすぐに感染が広まってしまいます。
そんな弱った犬たちはすぐに屠殺さえ冷凍にされ、通常の半値以下の値段で売られています。
もし犬肉料理に興味があるのなら、このような問題を踏まえて極端に安い犬肉料理屋に行かないほうが無難といえるでしょう。参考までに犬肉料理の値段を紹介します。
このように、犬料理はベトナム料理にしては少し高価な値段となっていますが、これよりも安い値段には注意が必要です。
③ 残虐な屠殺方法
食用犬は、屠殺されるときにあえて残虐な仕方で殺されます。
これは、「より苦しんだ方犬はアドレナリンが放出されて美味しくなる」という迷信によるもので、この点についての科学的な根拠はありません。
犬たちは、屠殺されるとき次のような殺され方をします。
・鉄の棒で頭を何度も殴打する
・ナイフで心臓を刺す
・生きたまま火あぶりにする
犬は最終的に、苦悶の表情を浮かべながら死んでいきます。
私自身、ハノイに住んでいると時々犬の悲鳴が聞こえてきます。
日本に住んでいる時の犬の悲鳴を聞くときは、「散歩に行きたいんだな」と思っていたものでしたが、今では「アドレナリンを放出させるために殴られているのかな」と思って悲しくなります。(事実は定かではありません。)
しかし、この点については必ずしもベトナムを非難することはできません。
動物を食べるというのは多かれ少なかれ、生き物を苦しめて命を奪うことだからです。
例えば、日本におけるブタの屠殺方法について考えてみましょう。
日本では毎年多くのブタが輸送費を浮かせるために過密に詰め込まれ、そのうちの幾匹かは暑さの中命を失っています。
また、屠殺方法は、血液が固まらないように生きたまま失血させるというものです。
基本的には苦しまないように電気ショックで意識不明にさせられますが、気絶できないで麻痺したままのブタもいるかもしれません。
結局のところ死んでしまうので、彼らが苦しんで死んだのかそうでないかはわかりません。
もちろんだからといって、全員がベジタリアンやビーガンになれというような極端な意見を提唱するつもりはありません。
しかしどうせ食べるなら犬にしろ、ブタにしろできるだけ苦しまないで屠殺してほしいものです。
国際的価値観
ベトナムの首都ハノイ市当局は、2018年9月12日までに、犬を食用にするのを止めるようにとの通知を出しました。
その理由のひとつは、「市のイメージダウンにつながる」というものです。
このように犬肉料理が多くの外国人から好まれないというのは、ベトナム人自身がよく知っています。
韓国ではすでに、犬を食用目的で屠殺することを禁止とする法律ができています。
これはやはり平昌2018年冬季オリンピックの際の「イメージダウン」を避けるためでした。
(実際、この法律が施行された実例はなく、オリンピック期間中でさえほとんどのレストランは、「犬肉料理を出さないでほしい」という地元警察の要請を無視したようです。)
ベトナムの犬食文化は、意外と認知が低くベトナムに旅行に来た人でさえ知らないのがほとんどです。
そんな彼らに犬食文化について話すと、誰もが少なからずの衝撃を受けます。
ベトナム人の中には、犬肉について尋ねると少し恥ずかしそうにする人もいます。
しかし、「野蛮」と思われるのは、アジア諸国の文化であるという偏見が大きいかと思います。
私自身最初、ベトナムでウサギ料理が出されたときは少し抵抗がありましたが、のちにフランスで高級食材であることがわかると見方が少し変わったことは否めません。
犬肉がもし欧米諸国で普通に食べられている料理だったら、それほどパッシングを浴びなかったかもしれません。
そのように考えますと、何をもって「野蛮」とするのかは考える必要がありそうです。
まとめ
今回は、犬肉料理の問題点について解説しました。
犯罪や病気などが絡んでくると単なる文化として片づける問題ではなくなりますので、これら問題点を改善しつつ自国の文化として確立していく必要があるでしょう。
次回は、犬肉文化の将来について取り上げたいと思います。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
いかがでしょうか
ペットとして飼っていた犬が突然行方不明となり、実は、食用として密輸されていた。。。
としたら。。。。
考えただけで恐ろしいことです。
しかも、美味しくなるという迷信のために、意図的に残忍な方法で屠殺されているというのは、私も知りませんでした。
文化を否定する気はありませんが、しかし、あえてこの飽食の世の中、食べる必要性もない
のではないか。。。。
と、思ってしまいます。
ちなみにですが、あまり有名ではありませんが、猫食の文化もアジアにはあります。
犬食ほど話題にはなりませんので、犬よりもさらに少数派の食文化なのかもしれませんね。
次回は、シリーズの最終回になります。
お楽しみに!
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2018年10月07日
タイの島犬は、少しお休みをさせていただきまして、先日、ベトナムの犬食文化について、興味深いレポートをいただきましたので、お伝えいたします。
ヤフーニュースやAFPなどで、ベトナムの犬食文化についてのニュースが掲載されました。
ハノイの市当局が、市民に犬食文化をやめるように求めた
というニュースです
実際のところ、ベトナムの市民のかたはどう感じているのでしょうか?
ベトナム在住の、通信員さんによる、ベトナムから見た犬食文化についてのレポート その1です。(全三回でお送りします)
※シリーズ中、少しえぐいと感じる写真を掲載する場合がございますので、閲覧はご注意ください。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
ベトナム料理といえば米粉麺で作った「フォー」、色鮮やかで美味しい「生春巻き」、パクチーの独特の後味がくせになる「バインミー」などを思い浮かべるかもしれません。
しかしベトナム人にとっては大切な、しかし一部の人にとっては眉をひそめる料理があります。
それは犬肉料理です。
ベトナムのペット事情を知るうえで犬食文化は切っても切れない関係にありますので、まずご紹介したいと思います。
犬食文化については、肯定的な意見も否定的な意見もあります。
私自身犬愛好家であり、犬肉を食べることはできませんが、出来るだけ中立的な視点で解説していきたいと思います。
ベトナムの犬肉消費量は世界第2位
アジア犬保護同盟(ACAP)が公表している資料によりますと、ベトナムの犬肉消費量は年500万頭で、世界第2位です。
順位 国 年間消費量
第1位 中国 2000万頭
第2位 ベトナム 500万頭
第3位 韓国 200~300万頭
犬肉料理は、ベトナム全国で食べられていますが、特に人気なのは北部で、ハノイの街を歩くと犬肉通りがいたるところにあります。
そもそも犬肉料理は美味しいのか
犬肉の味を食べた人の感想を聞くと、とにかく獣臭いと言います。
そのため、臭み消しに次の写真にある「ラーマウ」などの香草と一緒に食べます。
このラーマウは、葉に細かい毛が生えていて、ザラザラとした食感と、癖のある味があり、私自身は香草の中で最も苦手な部類に入りますが、犬肉料理とはとても合うようです。
さて
犬肉料理は美味しいのですか?
と聞くと、ベトナム人は大抵
美味しいです
と答えます。
でもハノイのベトナム人はなかなか本音を言わず、その場の雰囲気に合わせて答える傾向がありますので、あまり参考になりません。
犬肉料理を食べたことがある日本人に聞くと別に美味しくないよとか食べられなくはないと答えます。
なんとなくニュアンスが伝わりますね。
私自身、ヤギ、ウサギ、カエル、アヒルなど犬肉以外の肉はいろいろ食べました。
アヒル、ウサギ、カエルは、普通の鶏肉と味が似ていますし、ヤギは固くて少し癖がありますが普通に食べられます。
しかし結論としていえることは別に食べなくてもよいというものです。
食用肉として美味しいのはやはり、牛、豚、鶏であって、決して安くはないいわゆる「ゲテモノ料理」を、興味を除くとするとあえて食べようとする理由が見つかりません。
犬肉料理は(少なくとも日本人は)美味しいから食べているという人はほとんどいませんので、牛、豚、鳥肉のかわりにはなりません。
ベトナム人は犬食についてどう思っているか
ハノイに住んでいるベトナム人50人にアンケートを取ったところ、49人が「犬肉料理を食べたことがある」と答えました。
これは驚異的な数字です。
理由を聞くと多くの人が少し申し訳なさそうな顔をしながら、
ベトナム人だから…
という答えが返ってきました。
ベトナム人も、他国から犬食文化が好意的に思われていないと感じているようです。(この反応は外国に行ったことがあるベトナム人に顕著に表れていました。)
そんな調査をしていたある日、ついに犬食フルコースに呼ばれました。
その時の料理がこちらです。
手前の三つが左から、犬肉炒め、湯で犬肉、犬のから揚げで、右上が犬スープです。
左上にある香草を臭み消しで一緒に食べます。
ベトナム人と一緒に犬肉フルコースを食べて(実際は、私は鳥肉しか食べませんでしたが)、非常に驚いたことがありました、皆あまり食が進んでいないんです。
一人一人に聞いてみますと、
湯で犬肉は気持ちが悪いから犬肉炒めだけ
だったり、
少しだけもらいました
と言ってほとんど手を付けていなかったりで、結局最終的には大量の犬肉料理が余ってしまいました。
それで私はある疑惑がわいてきました。
実は皆そんなに犬肉が好きなわけではないのでは?
この点については、今回の件だけでは結論をすることはできません。
今回の犬肉レストランの料理人の腕前が悪かっただけなのかもしれません。
いずれにしても
文化がある=好き
という図式は必ずしも当てはまるわけではないということを考えさせられました。
犬肉文化についての議論
犬食を否定する人たちは、「犬は家畜でなくペットである」という考えがあり、犬食を肯定する人たちは、「日本人が鯨を食べる文化があるように、犬食はベトナムの文化だ」と主張します。
あなたはどちらの主張を支持しますか?
「犬はペット」という考え方を少し掘り下げて考えてみましょう。
これはただの感情論ではありません。
なぜなら「犬は人に懐くから」です。
私自身日本でフェレットをペットとして飼ったことがありますが、どんなに愛情を与えても彼は決して懐きませんでした。
十姉妹やインコなどはある程度懐きますが、犬と比べるとやはり他人(他鳥)です。
しかし犬はペットであり家族です。
犬は愛情を注げば必ず応じてくれます。
命令に忠実に従いますし、一緒に寝たり、一緒に旅行に行ったりする人も少なくないでしょう。
ベトナムの犬もそれに違わず、飼い主にしっぽを振り、飼い主の命令に忠実に従います。
他の動物でここまで人に懐く生き物はいないでしょう。
「犬食はベトナムの文化」という見方についてはどうでしょうか。
文化だから何もしてもいいということにはなりません。
カニバリズムが文化の国が人を食べても良いという論理はなりたないのと同様です。
しかし、やはり日本人が捕鯨問題を他国から追及されると感情的になるように、ベトナム人も犬食文化を否定されれば良い気分はしないでしょう。
法を犯しているわけではなく、倫理的な問題に触れているわけでもありませんのでこの点について他国の人があれこれ言う権利はないかと思います。
※ちなみに犬食消費量世界第三位の国韓国は2018年6月裁判所により「犬の食肉処理は違法である」という判断を示しています。
いかがでしょうか。
一部不快な写真や表現があったことをお詫びします。
犬食はベトナム人、とりわけ北部の人にとって非常にポピュラーな食べ物です。
しかし世界からみればマイノリティーであり、それゆえに問題点も数多くあります。
次回は、その犬食文化の問題点について取り上げたいと思います。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
いかがでしょうか?
ペットや動物に関する、懐きの感想については、通信員さんの私見です。
私自身は、どんなペットも懐かないからと言って、食べる・食べないの理由にはなりえないと思います。
おそらく通信員さんも、そんなつもりで書いているのではないと思います。
確かに食文化という観点からすれば、クジラやイルカ食と同様に、文化なのだから否定されるいわれはないという意見もあるでしょうし、文化だから何をしても良いということもないと思います。
これはアザラシ食やカンガルー食など、いろいろな国や地域が抱える問題でもありますね。
この犬食文化については、全三回でお送りいたします。
次回もどうぞお楽しみに
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更新が滞ってしまいまして申し訳ございません
今回も、タイのタオ島の通信員さんからのレポートです!
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
犬の気持ちがわかりますか?
「犬の気持ちがわかりますか?」
とても唐突な質問で驚かれた方もいるかもしれません。
しかし、皆さんの中にはこの質問を聞いて、
「私は犬と会話が出来ます!」
もしくは、
「人間以上に理解し合えます!」
なんて方もいるかもしれませんね。
そこでまずは、始めに、私の結論から皆さんにお伝えしますと、「はい、理解できます」が答えです。
この回答に関して、肯定的な意見をお持ちの方や、否定的な意見をお持ちの方は、もちろんいらっしゃると思います。当然の事だと思います。
ですので、今回のブログの内容では、あくまでも私の意見が中心になってお話していきますが、出来ましたら皆さんも同じように、又はどのように感じるか考えながら読んでいただけたら幸いです。
皆さんには、私が体験してきた犬との生活や、犬との触れ合い環境の中で感じた内容を例にあげながらお話していきたいと思います。
まずは、以前このブログで皆さんに紹介させていただいた真っ白な犬(カーオ)を例にだしてお話していきます。
私とカーオは毎朝ビーチをジョギングをするのが日課なのですが、私が走っている間カーオはずっと、私の少し斜め後ろをついて走ってきます。
時にはカーオが走り始めたのを見ると私がカーオの後ろを追いかけて走っていきます。少し休憩するのに私が立ち止まるとカーオも一緒に立ち止まり、私の顔を見上げてから私と同じように呼吸を整えます。
たまに海入っては、カーオに水を掛けると嫌がってるのが嬉しいのか本当のところはわかりませんが、又「掛けてっ」と言わんばかりに私の顔を眺めてまっています。
この私とカーオの状況なのですが、私が子供の頃に公園で仲の良い友達とカケッコや鬼ごっこの様な遊びを日が暮れるまでしていたあの頃ににそっくりなのです。
日が暮れると、お互い決めてたわけでもないのですが、友達と公園の蛇口を思いっきり開いて水を飲み、頭から水浴びをし汗を流したのを想い出します。
子供の頃の水飲みも、水浴びも、現在私とカーオが一緒におこなっているのとそっくりな状況なのです。
カーオとのジョギングのが終わると、私は1本の水をカーオと分けて飲み干し、その後は、海辺にある水道の蛇口をひねって、私とカーオは一緒にビショビショになりながら頭からシャワーを浴びます。
もちろん、カーオとの間に実際の言葉での会話は存在しません。私が一方的にカーオに話しかけていると言ったほうがあってますね。
私にとって、カーオとのやりとりも、幼いあの頃の友達とのやりとりも、言葉ではなく、お互いが相手を思いやる気持ちと、言葉はなくとも共感出来た事に大きな違いはありません。
皆さんはどうでしょうか?
同じような経験がございますでしょうか?
では、次の例をお話していきます。
ビーチでお昼寝!私は良く休みの日や仕事の休憩時間に、海辺でお昼寝をします。
私がいる環境なのですが、真っ白な砂浜とエメラルドグリーンの海に囲まれたとっても幸せな環境です。そこでのお昼寝は、言葉に出来ないほどの安堵を得る事ができます。
そんな、美しいビーチで昼寝をしていると、ビーチ犬たちが私のとこに寄ってきて、時には添い寝を始めます。
話は変わりますが、犬もイビキをかくのをご存知ですか?
私が寝ている横でとても気持ちよさそうに、「ゴーゴーッ」と犬もいびきをかくのです!まるで隣に人が寝ているように!幸せそうな顔で!
時に私の頭の横に頭を寄せて、時に私の足に足を乗せ、その為、犬がビクッと動くと私も起きてしまいますが、そんな犬たちとの添い寝は、私にとって言葉では表現できない位の安堵感とやすらぎを私に与えてくれます。
少し「人と犬が理解し合える」と言うテーマからは離れてしまったかもしれませんが、私が皆さんにお伝えしたいのは、人と人の間でも添い寝が出来る仲というのは、お互いが許し合える関係や、お互いが愛し合う関係にあると思います。その関係というのは、やはりお互いが理解し合えてなければなりたたない関係だと思うのです。
今回は、2つの例えをあげて、私の思う犬との関係論をお話しましたが、皆さんはどう思われましたでしょうか?
自分が心を開かなければ、相手は決して心を許してくれないでしょう。
逆に言えば、人も犬も、お互いがお互いを理解し、認め合う努力をすれば、そこには心の絆や友情や愛が生まれ育まれるのではないでしょうか。
人も動物もそうであれば良いと思う今日この頃です。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
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