2018年06月
2018年06月09日
オーストラリアの猫事情 その3 最終話をお届けします。
前回、オーストラリアでは野良猫や野猫(野生化した猫)が増え、オーストラリアの固有種が絶滅の危機にあるということをお伝えしました。
では、対策などはどうなっているのでしょうか。
最終話、まとめをお届けします。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
政府の野良猫対策とそれに対する反対意見
オーストラリアでは野良猫や野猫(野生化した猫)が増え、オーストラリアの固有種が絶滅の危機にあるという問題が起きています。
こうした野良猫に関する問題について、オーストラリア政府は、「絶滅の危機に瀕する動植物を守るための委員会」を設立し野良猫対策を打ち出しています。
それによると、2020年までに現在の野良猫の1/3に当たる200万匹を処分することを目標にあげています。
実際すでにこの政策は始まっており、2016年の一年間で20万匹以上が処分されています。
ただ、オーストラリア人は動物を愛する国民で、そのためペットを飼っている家も多いので、政府のこうした野良猫政策に強く反対する声も上がっています。
中には委員会のフェイスブックに野良猫処分に対して「殺すぞ」という脅迫コメントを投稿した人もおり、また動物愛護者として知られている女優のブリジッドー・バルドーも反対しているそうです。
その他、殺さないで、捕まえてから去勢し解放してあげたほうが良いのではとの意見もでています。
けれども野生の動物をこれ以上犠牲にすることもできず、野良猫処分の政策は仕方がないと考えられています。
実際、オーストラリアの動物保護団体であるRSPCAも委員会の政策を支持しているのです。
野良猫を殺すことは忍びないことですが、オーストラリア特有の野生の動物が絶滅してしまうのはもっと大きな問題であることを理解し、妥協案として賛成しているのです。
ただ、処分に当たっては残酷な方法を用いないよう十分配慮するよう指示が出されています。
例えば罠にかかってケージに捕まった野良猫は安楽死できるよう政府がサポートをしています。
まとめ
オーストラリアの人の手の届かない所で繁殖を続ける野良猫。
野良猫はオーストラリアの原生動物を攻撃するため、すでに絶滅した動物やこれからその危機に瀕す動物がいます。そうした野良猫に対し政府が打ち出した政策には賛否両論がありますが、大事なのはオーストラリア特有の動物の数とのバランスを保つことです。このバランスが取れ、野良猫処分が不要になる日が早く来るよう願わずにはいられません。
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いかがでしょうか
元はと言えば、飼い猫を野に放してしまったのは人間です。
人間の勝手によって、固有種である野生動物を危機にさらしてしまっているのに、処分されてしまう猫たち。
日本にも同じ問題が起きていますね。
野生化してしまった猫を保護し、家猫として再び飼うことは容易ではありません。
いずれは、日本でも野猫に対する安楽死処分。。。
ということが起きてくるのでしょうか。。。
何とも、悲しい事態ですが、固有種を守るというためには仕方がない。。。
本当に仕方がないのでしょうか。。。
とても考えさせられる問題ですね。
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2018年06月08日
オーストラリアの猫事情 その2をお届けします。
その1では、人の手が入りにくい地域で野良猫が増えているということをお伝えしました。
その続きです
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オーストラリアの原生動物でない野良猫はなぜ増えたのか
クィーンズランド大学のレッグ博士の研究によると、乾季と雨季では野良猫の数も違っているそうで、例えば、ある地域で乾季に200万匹いたとすると、雨季になると600万匹にまで増えるそうです。
オーストラリアでは、特に2017年は雨が多い年でしたから、野良猫の繁殖率も高くなっていることが想像できます。
現在オーストラリアには多くの動物がいますが、猫は元々オーストラリアにはいない動物でした。
イギリスを初めとするヨーロッパの人々が移住した時に一緒に連れて来たのです。
それを思うと、猫の数がどれほどのスピードで増えていったのかが分かります。
野良猫が引き起こす問題とは
さて、オーストラリアではこのように野良猫が増えているのですが、問題はこうした野良猫が野ねずみ、トカゲ、鳥、小さな有袋動物などの野生の動物を攻撃し殺してしまうことです。
すでに25種類のオーストラリア特有の動物が絶滅し、このままだとさらに124種類の野生の動物が絶滅する可能性があることが分かっています。
どこの国にも野良猫はたくさんいるようですが、オーストラリアで野良猫による野生動物への攻撃が特に問題となっているのは、オーストラリアにしかいない特有な動物があるからなのです。
こうした動物の存続を守ることが現在大きな課題になっています。
具体的に数字を使って野良猫が野生の動物に与えた害の状況を見てみると、一匹の野良猫は年間約1000匹の野生の動物を殺しているそうで、オーストラリアの中央部では体重が6.8kg(普通の猫は約4㎏)もある大きな野良猫がみつかっています。
この猫はカンガルーの小型版であるワラビーという動物を食料にしていたそうです。ワラビーは体は猫より大きいのですが、自分より大きな動物でさえ攻撃していることがわかります。
捕食対象になってしまったワラビー
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いかがでしょうか
日本でも、鹿児島県徳之島などで、同じような問題が起きていますね。
日本では、
北海道の天売島(てうりとう)ではウミスズメ、東京都の小笠原諸島ではアカガシラカラスバト、鹿児島県の奄美大島や徳之島ではアマミノクロウサギなどへの被害が危惧されるほか、長崎県の対馬ではツシマヤマネコ、沖縄県の西表島ではイリオモテヤマネコにネコエイズウイルスを感染させるケース
なども、あるそうです。
では、オーストラリアでは、どういった対策が行われているのでしょうか?
その3では、オーストラリアでの対策などについてお届けします。
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2018年06月07日
前回はオーストラリアのペット事情をご紹介しました。
今回からはオーストラリアの猫事情をご紹介します。
オーストラリアで増える野良猫が野生の動物を攻撃、その対策とは
前回のブログでは、オーストラリアのペット事情の概要についてお伝えし、その中で「地方自治体によっては、猫が自由に歩き回ることを制限しているところもある」と述べました。
実際そうした制限のおかげで、最近では近くで徘徊する猫をあまり見かけなくなったのですが、その後更に調べると、オーストラリアの州によっては、ペットの猫ではなく野良猫が増えすぎて困った状況になっていることがわかりました。
オーストラリアの野良猫分布
次の分布図は、オーストラリア連邦政府の環境省が発表したもので、オーストラリア全国における野良猫の分布状況を表したものです。
出典元:Australia Government, Department of the Environment and Energy
このマップでは
赤が一番悪い状態で、野良猫はそのエリア全体に存在し、数もたくさんいいることを示しています。
次がオレンジ色、そしてその次が黄色と、色が薄くなるにしたがって野良猫の分布が少なくなっていきます。
地図の中央下方部で赤くなっているところは南オーストラリア州(州都はアデレード)ですが、この中でも特に、州の南にあるカンガルー島では繁殖が激しいそうです。
赤の次に分布が多いオレンジ色はオーストラリアの広範囲を占めていますが、海岸沿いのところを除いては、乾燥して人の住めない砂漠地帯になっています。そこでもかなりの数の野良猫が増えていることがわかります。
つまり、島や砂漠など人の手の届きにくいところで特に野良猫が増えているのです。
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いかがでしたでしょうか
自然豊か多オーストラリアですが、人の手が届きにくいところで、野良猫が増えている問題が発生しているようです。
時間は、なぜ増えてしまったかなどについてお届けします。
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2018年06月02日
オーストラリアのペット事情 その2をお届けします。
前回は、概要とペットとして人気のある犬についてお届けしました。
では、オーストラリアではどのような猫が飼われているのでしょうか。
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どんな猫が飼われているのか
猫のペット事情はどうでしょうか。
猫は犬と違って、76%が雑種を飼っています。
猫のうち、
25%はアニマルシェルターから引取り
19%が友人などから譲ってもらっている
という点では、入手方法は犬と似ていますが、猫の場合は、15%が野良猫として拾ってきたという統計結果があります。
オーストラリアでは、犬や猫を捨てることへの規制はかなり厳しいですが、それでもまだ野良猫がいるということになります。
値段としては、雑種の猫では、ほとんどが無料で入手していますが、血統書付きやデザイナーキャットの場合はやはり高額です。ただし、犬ほどではなく、高くてもAU$1,000(約80,000円)前後です。
猫に対する厳しい規制
猫の場合も、犬同様家族の一員として飼っているため、屋内外を自由に行き来できる場合が65%になっています。
猫は柵を平気で乗り越えて通りに出てしまうため、問題になっています。
以前はこのことについては規制はなかったのですが、
夜になると猫が近隣の家の敷地内に入って小用をし、その尿が配管に入って家全体が悪臭に悩まされた
止めてあった車のタイヤに小用してひどい匂いがする
などの弊害が多数発生したことがあり、現在では地方自治体によっては、猫が自由に歩き回ることを制限しているところもあります。
その場合には、飼い主は自分たちの家の周りに柵や金網を取り付けたりして猫が通りに出ていかないようにしなければいけません。
加熱するペット産業
以上のように、オーストラリアでは、犬と猫で状況が少し違うのですが、この違いは飼い主の状況にも見られます。
犬を飼っているのは、25歳から34歳の世代が47%と一番多く、一方猫の方は45歳から55歳の世代が34%と、飼い主に世代差があります。
また全体として、ペットを飼っているのは、年収が多い世帯の方が多く、失業者や収入の少ない世帯ではほとんど飼っていないという統計があります。
ペットを持つということは生活面でそれだけ余裕があることを示すことになります。
実際、オーストラリアの主要新聞「オーストラリアン紙」によると、オーストラリア全体としてペットに使った費用は年間で約AU$12億ドル(約1兆円)にも上っているそうです。
どんなことに使ったと言えば、ペットフード、ペット用品、毛や体の手入れ、獣医による診察、保険などが主ですが、その他にも飼い主が不在になる場合のデイケアやペットの宿泊、または、自宅に赴いて餌をあげたり散歩をしたりするサービス、そして犬の場合にはドッグトレーニングなども人気で、ペットにはお金を惜しまないという風潮があるようです。
少し郊外に行って通りを歩けば、犬を散歩させている人に何人も出会います。週末には近くの公園を使って犬を訓練するドッグトレーニングコースが開かれます。また、犬の洗浄用小屋をトレーナーに乗せそれを車で引っ張りながら各家を回わって犬を洗うサービスもあります。このような光景を目にするたびに、オーストラリアは確かにペット王国だと感じさせられるのです。
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いかがでしょうか。
ペットにはお金を惜しまない風潮がある。。。
というのは、日本も少し似たところがなくもないですね。
週末に公園を使って犬を訓練するサービスや、犬小屋の巡回洗浄サービスなどは、日本にもあるとちょっとうれしいサービスかもしれません。
ただ、日本は、室内飼いが増えてきているので、どれだけ需要があるかは不明ですが。。。
次回は、もう少しフォーカスしてオーストラリアのペット事情をお送りします。
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2018年06月01日
保護猫を迎える準備などで、急がしておりまして、大分、間隔があいてしまいました。
久しぶりに、更新したいと思います。
久しぶりの更新は、オーストラリアのペット事情をお伝えしたいと思います。
オーストラリアは、観光地としても人気ですし、ワーキングホリデーやインターンシップなどで、滞在している日本の方が多いため、ペット事情の概要程度はよく知られているかもしれません。
が、初回ですので、ペット事情の概要などから入っていきたいと思います。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
人の数より多いペットの数、加熱するオーストラリアのペット事情
オーストラリア人はペットが好きな国民です。
オーストラリアの動物の厚生を管理している公共機関「オーストラリア動物医療」が発表した2016年度の報告書によると、オーストラリアでペットを飼っている世帯は全体の63%に当たり、数にするとオーストラリア全国で約2400万ひき。つまり、オーストラリアの人の数より少し多い数のペットが存在していることになります。
人気なペットはやはり犬と猫
ペットの中で最も人気があるのが
1位 犬38.5%
2位 猫29.2%
3位 魚11.8%
4位 鳥11.8%
の順になっています。
その他少数ですが、ウサギ、モルモット、トカゲ、ヘビなどを飼っている世帯もあります。
この内、ペットの所有で1位と2位になっている犬と猫についてもう少し詳細をご紹介します。
どんな犬が飼われているのか
犬の中では、
52%が血統書付き
41%が雑種
残りの7% が、意図的に作り出された混合種(デザイナードッグ)
です。
雑種は、ほとんどは友人や近所からもらったり、動物保護施設のアニマルシェルターから、無料もしくは$200(約18,000円)以下で入手できますが、血統書付きの犬は最低でもAU$500(約45,000円)、デザイナードッグになるとAU$2,000 (約150,000円)以上の高額になります。
このように高額なデザイナードッグですが、最近この混合種を飼うのがトレンドになっています。
中でも毛が抜けにくく、そのために人間にアレルギーを起こしにくい、プードルとの混合種に人気が集まっています。
例えば、プードルとラブラドルの混合種であるラブラドゥードルや、プードルとゴールデンレトリバーの混合種ゴールデンドゥードルなどがその例です。
オーストラリアの犬の飼い方
オーストラリアでは、66%の飼い主が犬を家族の一員として飼っています。
そのため飼っている犬は室内と屋外を自由に行き来できるようになっています。
日本なら家の中で飼う場合は、屋外に出さず、散歩のために外に出るときには靴を履かせるという方もいると思います。
オーストラリアはもともとイギリス文化の影響を受けており、人間も室内で靴を履く習慣がありますから、犬も同じような状態で屋内外を自由に行き来できる状態で飼われているています。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
いかがでしょうか
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